狭小住宅の価格への要望

狭小住宅は狭小地に建てられる住宅というだけで、その単語にローコストという意味はありません。
しかし、狭い土地に建てる狭い家なのだから、広さの無い分安く建てたいと考える人は大勢いらっしゃいます。

狭小住宅だからといってローコストで済ませられるとは限らないことは、以前にも説明したかと思います。
狭小住宅は広さが限られているからこそ、それでもなんとかして快適に暮らせるよう知恵を振り絞って設計し、工夫して様々な機能を取り付けなくてはなりません。
その知恵や工夫の分、通常の広さの住宅よりも価格が高くなってしまうことも珍しくないのですね。
住宅の広さと価格の関係は、比例はなく反比例するとも言えるでしょう。

新しいマイホームに狭小住宅を選択する人の中には、予算の関係で狭小地しか購入できないためという方もいらっしゃるでしょう。
予算のやりくりのために狭小地を選んだくらいだから、住宅にもあまりお金をかけすぎるわけにはいきません。
こういう理由もあって、ローコストな狭小住宅を・・・と考えられるのが現実なのです。

狭小住宅に求められる条件は、今や“開放感”や“デザイン性・個性”だけではありません。
これらも有したうえで、なお且つ“ローコスト”で“低価格”であることが重要な条件なのです。
ただでさえ厳しかった狭小という条件に、さらにローコストであることが付加されるのですから、これからの狭小住宅にはさらなる建築家の腕が試されることになりそうです。

狭小住宅とバリアフリーの関係

狭小住宅は、限りある狭い範囲(狭小地)に、広さの代わりに高さを活かして立てられる住宅。
バリアフリーとは、高齢者や障害者が住みやすくなるよう、車椅子も通れるよう広さを確保したり、通行の障害となる段差などを住宅から解消すること。
狭い狭小住宅に広さの必要なバリアフリーが、上階への移動が重要となる狭小住宅に段差を排除したいバリアフリーが、果たして可能なのでしょうか?

可能か不可能かと問われると、それは住宅の設計によるかと思います。
開放感を確保すべく極力壁を造らなければ車椅子でも通り易くなるかもしれませんし、いっそのことエレベーターを設置してしまえば階段でスペースを取り過ぎることもないかもしれません。
必ずしも狭小住宅とバリアフリーの相性が悪いとは言えないかと思います。

ただ、注意しておきたいことがあります。
土地や予算の関係からやむを得ず狭小住宅を選ぶことになる人もいらっしゃるかと思いますが、住宅とはその場限りの建物ではなく、今後長く住み続ける我が家と考えなくてはなりません。
いずれ年老いても不便なく住み続けられるよう設計する必要があるのです。
完全なバリアフリーとまではいかなくても、段差が多すぎるなんてことがあると不便極まりないですよね。

狭小住宅とはデザイン性はあっても、あくまでも住宅でありアートではないのです。
個性的で面白そうだからという理由だけで狭小住宅を選ぶのは、あまり関心できません。
将来に渡ってどのような生活を送りたいかということも、しっかりと考えましょう。

テレビ番組も参考に

狭小住宅を建てる方は増加しているようです。
わざわざ狭小住宅に憧れるということはあまりないかもしれませんが、土地が高い地域ではそんなに広い土地も購入できませんし、価格の面で狭小住宅を選択する人は多いかと思います。
自分の家をどうしても持ちたいと思って、多少狭小住宅でも構わないからと選択される方も多いです。
またテレビ番組の影響もあるのではないかと思います。
狭小住宅を扱ったリフォームの番組は、狭小住宅で家を建てたいと考えている方でなくてもとっても楽しめる内容になっていて、毎回感心させられます。
リフォームに関するアイデアもとても素晴らしいですし、参考になりますね。
狭小住宅に限らず、家をつくろうと考えている方はそういったテレビ番組を参考にしながら、自分自身でもアイデアを書きとめておくのもいいでしょう。
特にビフォーアフターでの狭小住宅のアイデアはすごくて、刺激をうける番組です。

大改造!!劇的ビフォーアフターを見ていると、サザエさんの声優さんでもある加藤みどりさんのナレーションがとっても魅力的ですよね。
ボクシングの内藤選手や、お笑いの小島よしおさんの家族の家など、有名人のお宅もリフォームしていますし、とにかくアイデアが素晴らしい。
設計士さんは、本当にすごいし、そこに住む人のことをよく理解して考えて設計してらっしゃるなといつも感心してみてます。
是非、このようなテレビ番組も参考になさってすばらしい狭小住宅を建ててくださいね。

狭小住宅をどこに依頼するのか

狭小住宅を依頼しようと思ったら、どこにお願いするのがいいのでしょうか。
それぞれメリットとデメリットがありますので、その点をよく考えて依頼先を選択してより良い狭小住宅を実現してくださいね。

まず、狭小住宅といえば、設計事務所が思い当たるかと思います。
設計事務所では、デザインはもちろん、狭小住宅を得意としている設計者もいてその道のプロが担当してくれます。
依頼された内容を見て、発想もとても素晴らしく、依頼主の要望により近く対応してもらいます。
そういう面が設計事務所に依頼した際のメリットとなるでしょう。
その反面デメリットというと、やはり費用の面でしょうか。
建築の費用とは別に設計にかかりますので、割高になることがある点でしょうか。

次に工務店さんはどうでしょう。
メリットは依頼主の予算に応じて、設計してくれますし、何よりも、その地域のことを充分に理解していらっしゃいますので、安心感があることでしょうか。
デメリットは、大工さんということですから、デザイン性はそれほど柔軟ではないかもしれないといった面です。
またお住宅ローンなどの仲介などはしれもらえるのか、確認をとっておきましょうね。

ハウスメーカーに依頼した場合は、
モデルハウスなどがありますので、自分の目で見てイメージすることができますが、あくまでも狭小住宅なので、実際にそのとおりになるわけではありません。
ハウスメーカーは今では柔軟な対応をとってはくれますが、営業とデザイン設計、建築すべてが分業となりますので、依頼主の意向が確実に伝わるかは、難しいこともあるようです。

狭小住宅の開放感について

狭小住宅を設計する際に特に気を遣うのは、開放感をどう感じさせるかといったことではないでしょうか。
従来の住宅のように一部屋一部屋を壁で囲む造りでは、狭いなりの広さしか感じられませんし、そもそもそのような各部屋を区切るほどのスペースもありません。
そのため、多くの狭小住宅では壁や扉は必要最小限にとどめられます。
ただ壁が全く無いわけではなく、必要有らば壁(もしくはパーテション)を設置できたり、階段や棚が間仕切りの役目を果たすなど、プライバシーにも配慮されていますが。

以前、テレビ番組でとある狭小住宅が紹介されていました。
幅が極端に狭く、奥行きを出すことによって生活スペースが確保されている狭小住宅です。

まず、玄関が住宅の片端にあります。
扉を開けると、上がり框なんてものはなく代わりに玄関マット一枚だけが敷かれており、本来なら玄関ホールとなるであろうスペースがいきなりダイニング。
・・・まぁ、狭小住宅ですから。

ダイニングテーブルの横をすり抜けるようにして奥へ進むと、次はキッチン、更にその奥が寝室となっています。
しかし、収納スペースのために寝室の奥行きもそれほど無く、布団は横向きに敷かなくてはならないのですが、大人の男性が寝転がれば足を伸ばせません。
・・・まぁ、狭小住宅ですから。

寝室の奥はトイレ・バスルームといった水回りです。
住宅であるからには湿気や排水に関しては工夫がされているのでしょうが、扉がありません。
・・・まぁ、狭小住宅ですから。

・・・ってそんなわけがない!
いくらなんでもやりすぎではないかと思った狭小住宅の例です(笑)

螺旋階段を狭小住宅に

狭小住宅は土地の狭さゆえに狭小にぜざるを得ないというのがほとんどです。
土地が狭いのですから、四方に広い住宅は建てられません。
しかし、四方に広げられない代わりに縦に広げることはできるのです。
二階建て・・・いえ、三階建てぐらいにはしたいですね。

しかし、二階や三階に上るための階段を取り付けるだけでも、その分のスペースが必要となってしまい、そこが狭小住宅のデメリットでもあります。
そこで、狭小住宅に望まれるのが螺旋階段。
螺旋階段なら折り返しの踊り場も必要無く、限られた円形の範囲内で縦に伸びるだけのものなので、必要なスペースの小ささは特筆するまでもありません。

螺旋階段というと施設やビルの非常階段という無骨なイメージがあるかもしれませんが、最近の狭小住宅では珍しくない設備となっています。
見た目も当然屋外の非常階段さながらのものではなく、住宅内の壁紙や雰囲気に合わせたスタイリッシュな造りです。

多くの場合、狭小住宅の螺旋階段が壁に覆われることはありません。
螺旋階段はただでさえ省スペースの階段なので、それが壁で覆われようものならよりいっそう狭さを感じさせられますし、また大きな荷物を持って二階や三階へと登れなくなってしまいます。
そのため、螺旋階段はむき出しのまま吹き抜けのリビングに設置されるのですが・・・

螺旋階段はその見た目の形も非常に特徴的ですね。
螺旋を描いて縦に伸びる形は、一種のデザイン性をも感じさせます。
だからこそ、狭小住宅に限らず住宅用螺旋階段が人気を集めてもいます。

ただ、三階建ての吹き抜けの箇所に螺旋階段を取り付けると、高所恐怖症の方は登れなくなってしまうなってしまうかもしれません・・・

三階建ての狭小住宅

狭小住宅を建てるなら、狭い空間をどう有効活用するかという数々の工夫が必要となります。
狭い空間には様々な不都合点がありますね。
まず、言わずもがな“狭い”こと。
何とかして空間を広く使えるようにして、なお且つ開放感を得られるよう工夫しなくてはなりません。
それから、間取りなどの特殊性による強度の問題もあります。
どこまで自由に設計できるかがカギとなりますね。
また、住宅であるからして快適性は絶対必要です。
前回のお話しと少々矛盾するかもしれませんが、やはりある程度のプライバシーというものも考慮しなくてはなりません。

これらの問題点のうち「空間を広く使う」ための工夫ですが、まず最初に誰もが考えつくのが三階建てではないでしょうか。
住宅の幅も奥行きも限られているのなら、あとは縦に伸ばすしかありませんからね。
狭小住宅の多くが三階建てになるのは必然的なことです。

しかし、木造で三階建ての狭小住宅を建てるとなるといくつか問題点が出て来ます。
根本的な問題として軽鉄骨など木造にしなければいいという解決策もありますが、そこはそこ、大抵の住宅は木造となっていますから、ここは敢えて木造の場合で考えてみます(汗)
狭小地でなければ、幅も奥行きもある安定した三階建ての住宅が出来るでしょう。
しかし、狭小地に三階建てを建てるということは、どうしたって細長く不安定な住宅になってしまいます。
そのため、狭小三階建ては危険な住宅になってしまう可能性があるのですね。
設計管理の確かさは一般住宅でも同じことですが、それら以上にしっかりしていることが狭小住宅には必要となります。

小さいからこその良さ

今や狭小住宅の専門誌が発行されているほど、狭小住宅は人気を集めています。
狭小住宅は・・・というより、“小さなもの”が人気を集めていると言った方が正しいかもしれませんね。
不思議なことに、人間にはただっ広い空間よりも比較的狭い空間の方が落ち着くという心理があります。
子供の頃に、押し入れに入るのが好きだったという人はいませんか?

住宅に限らず、大きな車よりもコンパクトな軽自動車の方が良いという意見もありますし(この場合小回りが効くという理由が多いですが)、住宅街の片隅にある小さな軽食屋や雑貨屋が好きだと言う人も大勢いらっしゃいます。
また、小さなものは可愛らしさを感じ、愛着も湧きやすいのかもしれませんね。
住宅は生活の場ですから、このような好みだけでは狭小住宅は簡単に建てられるものではありませんが、だからこそ少なからず小さな物を好きだと思える心が重要とも言えるでしょう。

それに、小さなものでも、小さいことによる価値があります。
上記の軽自動車などはその代表で、小回りが効くという軽自動車の魅力は小さいからこその特徴ですよね。
住宅の場合、狭小であることにどのような価値があるでしょうか。
考えられることのひとつに、ライフスタイルの回帰というのが挙げられます。
一昔前の日本の住宅を思い出してみてください。
かつての日本住宅は壁が少なく、障子一枚で部屋が仕切られていました。
家族の存在が身近に感じられると同時に、いちいち気配を気にしなくてはならない生活だったのです。

例え家族であっても個人のプライバシーが叫ばれるようになると、各部屋を真の個室として造られる住宅が当たり前となりました。
これが、気配を気にしなくても良くなると同時に、家族同士のふれあいを限定させることとなってしまったのです。
しかしここ最近、狭小住宅によってかつてのような家族を身近に感じられる住宅が再び流行りつつあります。
といっても、昔と同じものに戻るわけではなく、より家族とのふれあいを重視する傾向にあるのが狭小住宅です。

狭小住宅の特殊性

狭小住宅が特に人気なのは、東京や横浜といった巨大都市や、大坂や京都といった歴史ある街においてです。
これらは何処も地価が高く、また満足な広さのある土地を購入しにくいという共通点があるため、狭小住宅が注目されるのも必然なのかもしれませんね。
また、こういった都市部に住む人々には、古くからの固定観念にとらわれることなく、それぞれの個性の追求に余念がない人が多いというのも、共通点のひとつなのかもしれません。
人気のある狭小住宅はデザイン性が高いというのも特徴のひとつですからね。

狭小敷地は、前回も述べたとおり変形地でもあります。
では例えばどんな形の土地が挙げられるのかというと・・・
台形、三角形、これらはまだまだ序の口です。
例えば端と端で高低差がある土地、こんなのは珍しくありません。
旗竿状の細長い土地となるとさすがに珍しいように思えますが、実は都市部では意外と多かったりします(しかもこれがまた安い土地なのですよ)

こんな特徴的な狭小敷地にいったいどんな家を建てられるというのか、きっと狭小住宅に興味がない方でも気になることでしょう。
もちろん、土地の形は様々なので施工例も非常に数多くあり、一言で言い表すのは不可能です。
しかし、どの施工例を見ても施主や家族にとっては楽しい家なのであろうことだけは判りますよ。

筆者自身も、狭いがために逆に楽しい思いをした経験があります。
私の場合は狭小住宅ではなく一人暮らしの部屋なのですが、一人暮らしの部屋とは大抵が狭いもので、その中に家財道具をいかにして収めるかという工夫を余儀なくされるのです。
人によっては、その工夫を面倒だと感じるのでしょう。
しかし、筆者は狭いながらも工夫を凝らして、自分らしい空間を作り上げることに楽しみを見出していました。

きっと、狭小住宅を建てる人々は、そういった工夫することの楽しさを知っている人々に他ならないのでしょうね。

狭小住宅が人気!?

狭小住宅とは、住宅用にしては面積が狭い土地に建てられた家のことです。
面積数での明確な定義はありませんが、通常であれば一戸建てに適している面積が30~40坪であるのに対し、その半分以下の面積の場合に狭小住宅と言われているようです。

そんな狭い土地に快適に暮らせる家を建てるとなると、家具の配置や解放感、採光など様々な点で無理難題が生じてきますね。
しかも狭小住宅の土地というものは、単純に狭いだけでなく、往々にして変形地であることが多いと言います。
そのため、建築士の才能を試すかのごとく、工夫に工夫を重ねた住宅に仕上げる必要があるというわけです。

狭く変形した土地に住宅を建てるとなると、大抵の人々はそんな狭小住宅は建てるのも住むのも避けたがるように考えられそうですよね。
しかし、実のところ狭小住宅には通常の住宅にはない魅力があるのか、不思議とたくさんの人気を集めています。
その理由の一つとして、土地の価格が安価であることが挙げられるでしょう。
通常の住宅用土地に比べて半分の面積なのですから、地価が同じであれば単純計算で価格が半分であると考えることができます。

もうひとつの理由が、他では見られない工夫を凝らした家に住めるという可能性です。
個性的な家での暮らしは非常に魅力的ですし、またここ近年テレビ番組や雑誌などによって、例え狭くても工夫次第で快適に暮らせるということが知れ渡るようになりました。
そのため、住宅メーカーや建築士はこぞって特徴的な狭小住宅を建てようと名乗りを挙げています。

ただ、土地代が安ければ住宅も安いのかというと決してそんなことはありません。
狭小住宅は様々な工夫や技術が必要となるため、通常の住宅よりも建築コストが割高になることも珍しくないのです。